目次
高収入医師がよくカモられるマンションの営業について、実際に聞いた話を元に解説します。
- 「病院にかかってくる営業電話ってどんな話をされるの?」
- 「不動産の営業が電話をかけてくるんでしょ?」
- 「あの営業を間に受けて、投資を始めたらどうなるの?」
そのような疑問を解決する記事です。
医師などの高収入の職業の方々は狙われやすく、契約後に予期せぬトラブルに巻き込まれることが多々あります。
しかも、ワンルームマンション投資の失敗談は医師などの高収入の人のプライドが邪魔をして、あまり世に出回りません。
この投資を始めることで、「人生が終わる人」すらいます。
始めたら簡単にやめることはできません。
多くは「ワンルームマンション投資」として勧められると思いますが、その投資で問題になる「サブリース」と「借地借家法」について解説します。
よくある営業電話の一例
よくある営業電話の例:これはわたしが聞いた営業電話の1例です。
「この新築のワンルームマンションを1棟を購入していただけたら、われわれ (サブリース業者) が一括で借り上げます。
そうすることでオーナーであるあなたには、毎月の家賃収入が保証されます。
お医者さんはお忙しいでしょうから、借り上げた物件の管理は我々に任せてください。なぁに、手数料は賃料の1〜2割程度ですよ。
うまく行かないこともあるかもしれませんが、仮に不動産の利益が毎年赤字でも節税対策になって、建物という資産は手元に残りますよ。」
見るからに怪しい話ですけれど、引っかかってしまう人はそれなりにいるようです。
サブリースとは?
オーナーが、ある物件をサブリース業者に貸し出して、その物件を賃貸物件として一般募集するような形式をとります。
つまり、オーナーはサブリース業者に貸している人で、それをサブリース業者が一般人に貸し出している状態です。
今回問題として示したいのは、オーナーが貸し手、サブリース業者が借り手になっている部分です。
一般的に賃貸契約では、借主 (この場合はサブリース業者) の方が守られる仕組みになっています。
ワンルームマンションを購入して、業者に貸し出して家賃保証を得る算段になっていると思いますが、法律上は借主であるサブリース業者の方が手厚く守られる傾向があるため、オーナーが不利な状況が作られてしまうことがあります。
借地借家法という法律があるからです。賃貸契約では貸し手の方が権利が強くなってしまうことを防ぐために弱者である借り手を守るために、この法律があります。
借地借家法とは?
「正当事由」といいます。
借地借家法28条
「建物の賃貸人による第26条第1項の通知又は賃貸借の解約の申入れは、建物の賃貸人及び賃借人が建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として、又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。」
貸し手 (オーナー) 側は借り手 (サブリース業者) 側を正当な理由なく、強制退去させることはできません。
つまり、サブリース業者が行っている賃貸運営がうまくいっていなかったとしても、オーナーは自分の都合で解約することはできません。それに加えて一方的に契約を破棄される可能性もあります。
サブリースでの不動産事業がうまくいっていなかったとしても
サブリースの契約は一度してしまったらカンタンには解除できないということです。
契約を続けることもやめることも自由にできなくなってしまうので、あとは業者の良心を信じるしかできなくなってしまいます。
そのような状況下でオーナーに利益をしっかり残してくれる業者がいると考えるのはあまりに性善説な考え方かもしれません。
サブリース業者の甘い営業トークにどのような問題点があるのか?
キーフレーズごとに、サブリース業者がなぜ甘い営業トークでワンルームマンション投資を勧めてくるのかを解説します。
「この新築ワンルームマンションを購入していただければ、家賃収入が保証されます。」
マンションの建築会社は、マンションが建てば当然利益を得ます。
そして、多くの場合、マンションを購入するオーナーはローンを組むため、金融機関にも利息収入が発生します。
これらの取引を仲介するサブリース業者にも、紹介料や手数料といった形で利益が発生します。
「毎月の家賃収入が保証されます」
実際には入居者がいなければ賃料を下げることが要求されることがあります。
結果として、オーナーが受け取る家賃収入は減少し、物件の修繕費などの負担もすべてオーナーにかかるため、利益を確保するのは難しくなります。
さらに、賃料の減額をオーナーが拒否すれば、サブリース契約を一方的に解除されるリスクもあります。
サブリース業者にとって重要なのは、マンションが空室のままでは手数料が得られないため、何としても入居者を確保し、賃料を調整することで業者側の利益を確保しようとします。
「赤字になれば節税対策になる」
特に、高収入の勤務医や士業の方々は、この言葉に魅力を感じやすいでしょう。
赤字が出ることで、給与所得と合算して課税額が減るため、税金の負担が軽くなるという理屈です。
しかし、実際には毎年赤字を出すような不動産投資は、長期的なリスクが高く、物件の資産価値も年々下がることが多いのが現実です。
毎年赤字を出すような物件の資産価値は、普通、年々下がります。
そのため、節税だけを目的とした不動産投資では、最終的に手元に残るマンションの価値が大幅に下落し、想定していた資産形成にはつながりにくいという落とし穴があります。
サブリースで利益を出す方法は?
ワンルームマンション投資で利益を出すには、毎年安定した入居者が確保でき、資産価値が上がるような物件を選ぶことが不可欠です。
- 入居者がちゃんと入る
- 毎年利益が出る
- 資産価値も上がる物件
利益を出すためには、このような条件が必要ですが、サブリースで家賃保証などせずに、自分で管理すればより利益が出るのではないか?とわたしは思ってしまいます。
まとめ
・仕組み上、サブリースはオーナーが儲かりにくい。
・サブリースは一旦始めると簡単にやめられない。
・儲かる物件ならサブリースにする理由がない。(※手間をかけたくない、考えたくない人以外。)
・節税を目的の場合、収支は赤字になる。だけど、そういう物件の資産価値は下がる可能性が高い。
・サブリースで利益を出すためには、目利きができて厳しい条件をクリアする必要がある。
安易にワンルームマンション投資に手を出す人が、増えないことを祈っています。
子育て世帯に向けた資産形成の方法や考え方を毎日更新しています。ぜひ、ブログを読んでみてください。気付かずにはまっているお金の落とし穴を回避できるかもしれませんよ。
※保険や投資の方針については、当ブログの著者の見解を記事にしています。保険や投資について絶対の正解はありません。保険・投資の最終判断についてはご自身で記事の内容を解釈の上、自己判断・自己責任でよろしくお願いします。当ブログでは最終的な責任は負いかねます。
ご意見・ご感想がありましたらぜひ、コメント欄によろしくお願いします。楽しみにしております。↓↓↓