先進医療特約は「必要ない」
と考えています。その理由は、
先進医療って「あともう一歩」の治療だから
です。現時点の最良の治療は、すでに保険適応で受けることができます。
以下に解説していきます。
先進医療ってどんな治療?
「厚生労働大臣が定める高度の医療技術を用いた療養その他の療養であって、保険給付の対象とすべきものであるか否かについて、適正な医療の効率的な提供を図る観点から評価を行うことが必要な療養」
と健康保険法等の一部を改正する法律(平成18年法律第83号)に定められています。
難しく書いてありますけど、簡単にいうと
効果がありそうだけど、保険適応までもう一息評価が必要な治療
「先進医療」は保険適応ではないから自己負担で受ける治療です。だけど、効果がありそうなのに入院から何まで全部自己負担にするとかわいそうですよね。
「有効性と安全性の評価がまだ足りていないと判断されているけれど、「ある一定の効果」が今の時点でも見込めそうだから、患者の負担を減らすために「先進医療」という名前をつけて保険診療と併用ができるようにしましょう。」
という理由で定められているのが「先進医療」です。
有効性と安全性が確認されれば、先進医療は「保険適応」になる
有効性と安全性がまだ確認されていないから先進医療なんです。
先進医療は、最先端の治療という意味ではありません。
保険適応にする価値があると評価されたら、先進医療ではなくなります。
例えば、先進医療が保険適応になったものに重粒子線治療があります。
以下は令和4年4月から重粒子線が保険適応になった「がん」の種類です。
- 肝細胞がん(長径4センチメートル以上のもの)肝内胆管がん
- 局所進行性膵がん
- 局所大腸がん(術後再発)
- 局所進行性子宮頸部腺がん
参考:https://www.osaka-himak.or.jp/information/s/news/covered-by-insurance-from-20220401/
重粒子線治療は現時点で (令和5年1月) 「がん」の種類によって「保険診療」と「先進医療」が混じっています。
以前は全てが「先進医療」だったのですが、安全性と有効性が確認された後に徐々に「保険適応」されるも「がん」の種類が増えてきているのです。
これと同じように重粒子線治療などの放射線治療以外でも、あらゆる分野で先進医療が保険適応に置き換わってきています。
重粒子線治療のために、先進医療特約をつけていた母
最後にわたしの家族の話ですけど、「がん」保険に加入していた母は、先進医療特約をつけていました。
理由は「重粒子線治療を受けたいから」
お金持ちしか受けられない治療だと思っていたそうです。先日、保険証券をみさせてもらって「解約」に踏み切らせました。医療保険は医療の進歩についてきていないことが多いです。高齢者の保険にこそ、不必要なものが多く含まれている可能性が高いと思います。
そういう時は「見直し」も結構ですが、「解約」を検討してみてはいかがでしょうか?わたしが母の「がん保険」を解約させたことについての記事も参考にしてみてください。
時代が変われば、今魅力的に見える先進医療は保険適応になっていて、お金持ちじゃなくても受けられるようになっているかもしれませんよ。
まとめ
先進医療は
- 有効性と安全性が確認しきれていない治療
- 本当に優れていれば、きちんと保険適応される
そんな治療です。
本当に「先進医療特約」は必要でしょうか?先進医療を受けなくても、現時点の最良の治療は受けられそうです。考える一つのヒントになれば嬉しいです。
※言わずもがなですけど、保険の解約や契約は自己責任でお願いします。