わたしが勤めている病院では、来年度から看護師の人数がー(マイナス)20人になることが決まっています。50人が離職し、30人が就職するので合計でー20人です。
わたしが勤めている病院は三次救急 (※一次救急や二次救急で対応ができない地域の重症患者を受け入れる病院)を行っているので、看護師の仕事も重症対応・救急対応があり、一般病院と比較してやっている業務が複雑で多くなる傾向にあります。
そんな病院で離職が続くことの要因として、やりがいの問題もあるかもしれませんが、今回は給与のことについて、医療界で起きているある変化を交えて話します。
2024年度に診療報酬が前年度より+0.88%になることが決まった
これは、医療者にとって良いことなんでしょうか?
診療報酬とは医療機関に対価として払われるもので、その報酬が前回より+0.88%になるということです。つまり、同じ診療をしていれば前年度より0.88%増の収益が見込めます。
医療者の賃上げの原資になることは間違いありませんが、物価高 (インフレ)が近年進行しているということは忘れてはいけません。2023年の物価上昇率は約3%です。
0.88%分給料が上がっても、3%分物価が上がれば、給料が増えても、買えるものの総量は減ります。
医療者の実質賃金は0.88 – 3 程度で約2%減少するということです。
つまり、医療業界全体の流れとして、普通に働くだけでは生活は楽にならない、給料は上がらないというフェーズになってきているということです。
少子高齢化の流れにあって診療報酬がこれ以上伸びるということも、考えにくいです。
がんばっても実質賃金が上がらない状況なので、看護師が今の状況に嫌気がさして辞めていくというのは、トレンドとしてあまり不思議なことではありません。
このトレンドは悪いことなのか?そうは思わない。
※ここからは、私見もたくさん入っています。注意して読んでください。
では、このトレンドは悪いことなのか?と言われるとそうは思いません。
少子高齢化社会といえども、人手が医療界に多く取られることは好ましくない状況だとは思うからです。人手が医療界に多くいる状況が続くと、成長産業に向かう労働力は減ってしまいます。
医療に携わる人が減って医療の需要も減ってくれる方が、成長産業にリソースを割くことができます。
そして、社会保険料は今も上がり続けていて今後も上がる見通しです。子どものいる親として、医療に人員やお金が取られ続けることを肯定的に考えることはできません。いくら高齢者からの需要があったとしてもです。さらに、医学的に必要がない需要もたくさんあります。湿布や風邪薬などの、医学的に根拠がない処方を受けるだけの診察はもっと減っていいと思います。
今後は本当に命に関わるような医療はそのままに、腰痛や風邪などの必要性の低い医療に割くリソースを減らして欲しいです。
もちろん、わたしの給料も減るかもしれませんが、医療を縮小することの方が将来の子どもたちのためになることではないか、と思います。看護師の離職は医療縮小の始まりの一端かもしれません。
看護師が減っていくと、到底今と同じように医療を続けることはできませんからね。
持続できそうにないものを持続させようとすると、いつか無理が出てきます。看護師離職はその表れの一部かもしれません。
看護師の雇用の流動性が高まることは、人やお金のリソースに変化をもたらして長期的には日本の個人にとってもに良い影響をもたらすのではないかと考察します。
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