読書・哲学 生き方・幸福論
2026年4月 · 読了時間:約5分
韓国で60万部を突破し、日本でも話題になった哲学書『求めない練習』を読んだ。ショーペンハウアーの幸福論は一言で言うと「幸せは短いもの、だから今あるものを大切にしろ」ということとわたしは解釈した。読んでいて、自分の資産形成の考え方ともどこかつながっていると感じた。
📖 この記事でわかること
  • ショーペンハウアーが説く「幸福の振り子」とは何か
  • なぜ幸せは短く、長続きしないのか
  • 人が「新しいもの」を求め続けてしまう理由
  • 今あるものを大切にすることが幸福への近道である理由

『求めない練習』——韓国60万部の哲学書が日本に上陸

カン・ヨンスという韓国の哲学者が書いたこの本は、19世紀ドイツの哲学者ショーペンハウアーの思想をわかりやすくまとめたものだ。K-POPグループIVEのメンバーが愛読書として紹介したことで韓国で火がつき、262刷・60万部を超えるベストセラーになった。

哲学書というと難しいイメージがあるが、この本は「人生に効く30の処方箋」という形で整理されており、非常に読みやすい。哲学に馴染みがない人でもすんなり読み進められる。

ショーペンハウアーが示した「人生の振り子」
欠乏・苦痛 何かが足りない
手に入れたい
幸せ(一瞬) 欲望が満たされた
瞬間だけ訪れる
退屈・倦怠 また次の欲望へ
終わりがない
人生はこの振り子の間を永遠に行き来する——ショーペンハウアー

欠乏は苦痛、退屈も苦痛——幸せは一瞬で通り過ぎる

本書の核心はここだと思う。ショーペンハウアーは人生を「振り子」にたとえた。欲しいものが手に入らない状態は苦痛だ。

しかし欲しいものが手に入ると、今度は何もすることがなくなって退屈になる。その退屈もまた苦痛だ。 幸せはその振り子がちょうど中央を通り過ぎる一瞬にしか存在しない。だから幸せは本質的に短く、長くは続かない。

幸せが長く続かないことに気づかずに「もっと、もっと」と求め続けるのが多くの人の姿だ。給料が上がれば嬉しい。でもしばらくすると「もっと上がらないか」と思い始める。新しいスマホを買えば満足する。でも数か月後には次のモデルが気になる。これがまさにショーペンハウアーの言う「振り子」だ。

  • 1
    欠乏は苦痛 — 欲しいものが手に入らない状態は常に苦しみをともなう
  • 2
    退屈も苦痛 — 欲しいものが手に入ったあとの空虚感もまた苦しみだ
  • 3
    幸せは一瞬 — その間をすり抜けるように通り過ぎるのが幸福の本質
  • 4
    人は新しいものを求めがち — 欠乏にしても退屈にしても、解決策として「新しいもの」に手を伸ばす
  • 5
    今あるものを大切にする — それが「求めない練習」の核心であり、真の幸福への道

欠乏にしても退屈にしても、人は「新しいもの」で解決しようとする

本書を読んでいて、もうひとつ刺さった指摘がある。人は欠乏を感じたときも、退屈を感じたときも、「新しいもの」で解決しようとするという点だ。

お金がなければもっと稼ぎたいと新しい収入源を求める。暇になれば何か面白いことはないかと新しい刺激を求める。その結果、SNSをスクロールし続けたり、次々とモノを買ったりする。SNSで報酬系を刺激されるというのは新しいものを求める欲求を満たそうとする生理的な現象なのかもしれない。

でもそれで本当の意味での幸せが手に入るかというと、そうはならない。 刺激で退屈を麻痺させているだけで、根本的な問題である「今に満足できていない」ことは解決されていない。

すべてはしばし訪れては、すぐに終わってしまうから、小さな快楽に満足できるようになるべきだ。喉の渇きを満たしてくれる1杯のコーヒーで、とても幸せになれるように。短い出会いや縁が与えてくれる、小さな楽しさに感謝しよう。」

——『求めない練習』カン・ヨンス著(ダイヤモンド社)より

今あるものを大切に

この本を読んで正直に思ったのは、今あるものを大切にするということがわかってはいたけど、できていなかったということだ。 欲しいものが手に入れば次の欲が生まれる。暇になれば刺激を求めてスマホを開く。スクロールし続けていれば飛び出てくる新しいもので満たされるかもしれないという期待があるのだ。

子どもと過ごしている時間でさえ、スクロールをしながら「今起きている新しいことはなんだろうか」「有益なことをもっと得られるはずだ」と頭のどこかで別のことを考えている。スクロールを続け、求め続けている限り欲望は満たされないので幸せにはなれない。

幸せは欠乏と退屈の間にある短いものという事実を受け入れることが、なぜ大切なのか。それは、短いからこそ「今ここにある幸せ」を見逃さないようになるからだと思う。永遠に続くと思っているものは、実は見えていないことが多い。

子どもが笑った瞬間、ご飯がおいしいと感じた瞬間、仕事が思い通りに進んだ瞬間——そういう今のこの瞬間を大切にする。それが「求めない練習」の出発点なのだと思う。

  • 幸せは本質的に短いもの — それを受け入れることが出発点になる
  • 新しいものを求めるループを疑う — 刺激で退屈を麻痺させているだけかもしれない
  • 小さな幸せに気づく練習をする — コーヒー1杯、今日の健康
  • 「足るを知る」は最強の幸福戦略 — 東洋も西洋も時代を超えて同じ結論に行き着いている

まとめ

哲学書だからといって難しく構える必要はない。この本は読みやすく、しかも読んだあとに何かが変わる感覚がある。幸せとは何かを改めて問い直したい人、SNSや他人との比較で疲れている人に特におすすめしたい。

わたし自身は、「今日も家族が元気だった」、「散歩で春の訪れを感じた」という小さな幸せをもっと噛み締めようと思った。その幸せはショーペンハウアーのいう振り子の一瞬にしかあらわれない大切な感覚だと思うからだ。大げさかもしれないが、それが「求めない練習」の第一歩なのかもしれない。

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たこさそ
『実践する資産形成』というブログで資産形成になりそうなことを片っ端からやっている薄給大学勤務医✖️副業ブロガーです| 2人の男児を育てながら節約・投資・ぼったくり回避術|チャリ通でマイボトラー、加湿器大好きなインデックス投資家です。ウチ流の資産形成を公開しています✨ 経済的自立(資産所得>生活費)は達成済み